黄昏と嘘

先生が・・・笑ってる・・・。
髪をかきあげながらやさしい笑顔で・・・。

学生から怖がられ、冷血管とか非情だとか、そんなこといつも言われているアキラがチサトの方を見て笑っていた。
チサトはさっきまでの疲労など、どこかに消えさってしまったように嬉しくなる。
その笑顔はいつもチサトが思い描いていた、思っていた通りのやさしい笑顔だった。


こんな笑顔ができるやっぱり先生は、嘘つきだ。



「・・・先生・・・、笑った顔のほうがいいと思う。
やさしい笑顔できるから」



チサトは嬉しくて、嬉しくてアキラと一緒になって笑う。









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