ありふれた恋でいいから
「あれ?玲ちゃんしかいないの?」

短大時代に知り合った彼と早々に結婚した玲ちゃんは、今や立派な2児のママ。

いつもなら天使のように愛らしい二つの笑顔が出迎えてくれるのに、今日は持参したケーキが出番を失っていた。

「うん。子ども達はパパが遊びに連れてってくれてる」

「そうなんだ…」

玲ちゃんの配慮が、今更ながら有り難くて。
裏表なく話すことが出来る相手に今の心の内を、弱さを聞いて欲しい―――そう胸の中であれこれと言葉を巡らせる。



けれど。


「あのね、実乃……実は大事な話があるんだ」



話を始めたのは、思いがけなく玲ちゃんの方だった。
< 141 / 166 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop