ありふれた恋でいいから
早く卒業したい。

彼女ともっと一緒にいたい。

二人でいくつもの季節を迎えたい。

今よりも一層綺麗になるだろう彼女の隣にいて、彼女の全てを思う存分味わいたいなんて気持ちがあるのも内心否めないけど。

彼女を守りたい。
彼女の真っ直ぐな瞳がいつも俺を見てくれるような、そんな未来を手に入れたくて。

同じ大学に合格するという奇跡に二人で抱き合って喜んだあの日。

頑張れば何だって叶うなんて。

泣いてるのか笑ってるのか判別出来ないくらい喜ぶ彼女の顔を見ながら、今の自分に怖いものは何も無いと思えるくらい、希望に満ち溢れていた。
< 31 / 166 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop