龍華寺 四葉と書いて、救世主と読め。

花厳さんの忠告が入りました。











「鷹嘴 リン、退学ー……っと」

四葉は名簿のリンの欄に『退学』と朱い判子をポンと押した。

本来は生徒の、しかも元クラスメイトのする仕事ではないが、出来る限り自分のした事は自分で最後までやっておきたいというのが四葉の信条らしい。

「放火、窃盗、器物損害……これだけ犯罪やっといて停学は無いよね。退学で正解だ」

「リンちゃんと遥加ちゃん……あの後どうなったのかな」

「遥加は元々リンの依存したような感じの関わり方にちょっと怖がってたみたいで、精神的にしんどいらしい。今は自宅で療養中。リンは知らない。どこか転校したか、少年院でも行ったか……?」

まるで他人事だ。

少し前に笑い合いながらオムライスを作ってた相手が、二人もいなくなったというのに。

「 ……本当にこのやり方で良かったのかな」

「何が?」

「リンちゃんは、遥加ちゃんが本当に大好きだったんだよね?表現の仕方は……ちょっとアレだったけど。それを無理矢理引き剥がす感じって、なんか可哀想かなって」

「可哀想も何も無いだろ。悪人は悪人だ。根こそぎ引っこ抜かないと、どこでまた芽を出すか分からない」

「けど……」
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