龍華寺 四葉と書いて、救世主と読め。

乱入御免!












「ぅおーし、まずは千利恵さんの母親の事調べるのが先だな」

次の日の放課後、いつも通り生徒会長と副生徒会長の二人しかいない生徒会室。

バーンと勢い良く机を叩き、四葉がやる気モードに突入する。

生徒会室に数個しかないボロい机なのであまり乱暴に扱わないでほしいが、どうせ言っても無駄だろうからナゴミは黙っておいた。

「昨日エメに調べておいてもらったんだけどさ、千利恵さんの母は地方テレビの番組でコメンテーターかなんかやってるらしいんだよ。今回はそれ利用しようかな」

「ちょ、ちょっと待って?!いくらなんでも番組めちゃくちゃにしちゃうのはダメだよ?!」

いくら地方の放送局といっても、邪魔したらスタッフだけじゃなく視聴者にも迷惑がかかる。

「しないよ、そんな事。ひっでぇなー。ナゴは私がそんな事するように見えるのか」

番組をジャックして、タレントもアイドルも関係無しに自由に動き回り、最後にはワーッハッハッハと勝ち誇ったような高笑いをする四葉が容易に想像出来る。

まだ何一つ始まってないのにナゴミの身体全体に冷や汗が吹き出た。

「まぁとにかくだ。元々の原因になってる母親を調べないと完璧な下剋上は出来ない」
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