引っ越し先はあたしの隣⁉︎







「舞ちゃん、じっとしててね〜」


済んだ声で指示される。

さっきまで楽しくなっちゃんと過ごしてたのに、もうこの時が来てしまった。



今は舞台裏にいるの。

あたしの目の前には桃笑ちゃんが立っている。
そこには鏡、チーク、ファンデーション、グロス……色んな化粧道具が揃ってある。


すごいキラッキラしてる……!
まるでお店みたい……!!

お化粧独特の香りがするからよりお店感が漂う。


そんな光景に感激していると、鏡越しから桃笑ちゃんと目が合った。


「あっ、ごめんね。なんか感激しちゃって」

「ううん。大丈夫だよ。これから大変身してあげるからね~」


桃笑ちゃんはそう言って目の前にある品を手に取った。


あたしのメイクを担当?してくれてる黒髪を一つに束ねた女の子は、あの時ウエストなどを測ってくれた桃笑ちゃん。

スラっとした身長に色白で黒髪がモデルさんのようにツヤツヤしてるの。

本当はモデルさんなのかもしれないくらい綺麗な子なんだ。


そして、男女問わず人気者。
それは性格からも分かると思うの。

だってこんな地味で太ってるあたしにでさえ笑顔を向けてくれるんだよ?!

サバサバ系で、姉御肌っていうのかな?

あまり桃笑ちゃんとは関わってないけど、そう感じる。








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