引っ越し先はあたしの隣⁉︎
おまけ

帰り道



太っていることがコンプレックスで、恋から遠ざけていたあたし。

でも、今は──。



「舞美」

とあたしの大好きな笑顔を向けてくれる彼がいる。



「なに?」

そう尋ねるとまた柔らかい表情をして首を振った。


「ただ呼んでみただけ」


少し顔が赤い気がするけど、それよりもっと赤くしたあたしは俯いた。


「ふっ、可愛い」

「か、可愛くない!」


あたしのどこをみて可愛いと言うのか未だに謎なんだけど。

それでも顔がほころんでしまうのは、あたしが単純過ぎるんだ。



優しく包んでくれるその手を握り返して、家を目指す。



「斗真くん、これからもよろしくね!」



少しびっくりした後、彼は「こちらこそ」と最上級の笑みをあたしに向けた。





𝐹𝑖𝑛.
< 235 / 237 >

この作品をシェア

pagetop