ポジティブの天才
完結
僕は、ネガティヴである
毎日同じ事の繰り返し、朝起きて、歯を磨いて、朝食を食べて、学校に行

また同じ1日が始まった

学校に着くなり僕は何をするか
まずは、友達のイタズラに引っかかってあげる事だ
そもそも友達なのか分からないが
とりあえずつるんでる奴らだ
教室のドアを開けると
サランラップが仕掛けられている
僕はそれにわざと引っかかる
今日のイタズラは終わりのようだ
挨拶もそこそこに
席に着く
なぜ僕だけこんな学校生活を送らなければならないのか、
またネガティヴになってしまった
変わりたい、こんな自分を変えたい
と思うが一歩も足がでない
そうだ考えを変えればいい
このヒラメキから
僕の人生を変える計画が始まった
まず始めにやった事は
伸び放題だった髪を切った
前髪が目に入り、しっかりと目を開ける事が出来なかった
髪を切り、目しっかり開けて街を歩いてみる
全てがハッキリ見えて
視野が広がった
次の日学校に行って見ると
イタズラにワザと引っかかる
コレをやめた
イタズラを、ひらりとかわし
席に着く皆んなはつまらなそうに騒つく
僕は、髪を切ったからイタズラを見つける事が出来るようになったんだ!
と友達かどうか分からない奴らに言うと
奴らは笑って、お前おもしれーな!
と返して来た
僕の勝ちだ
学校帰りに珍しく奴らから話しかけて来た
なぁ今からカラオケ行かねーか?
初の誘いだ
僕はこう言った
歌は得意じゃないんだ
でも内心歌には自信があったが
ここで行くと奴らの誘いに乗った事になる、だから断った
僕はこう思った
奴らは僕と仲良くしたくてたまらないんだな
思ったというより思うようにした
次の日
いつものイタズラも無く
席に着く
今日は何だか気分がいい
気分がいいというより、気分がいいように考えた
俗に言う気の持ちようだ
今日は今までした事の無い事をしてみる
そう、恋愛だ、恋だ、片想いだ
ターゲットの女子を探そう
心から愛せる女子だ
今までずっと口うるさい女子が嫌いだった
だが、人生を楽しく終わらせる為には恋をしなければならない
一人一人女子の顔、スタイル、性格、を見る
やっぱり女子高生というのは下品だ
だが、恋をすると楽しくなる
僕は考えた
クラスの女子はどんぐりの背比べのように
ズバ抜けた子はいない
だから女子の前で自然とボールペンを落としてみよう
拾ってくれた子に恋をしよう
僕はペンケースからペンを取り
女子の固まりの前で
ペンを落とした
誰も気付いてくれない
三歩ほど歩いた後ペンを落とした事に気付いたふりをして自分で拾った
女子は僕のペンを拾うのが恥ずかしいんだな
今日の帰りも奴らに誘われた
だが断った
もっと焦らしてみたくなったからだ
そんな毎日にだんだんと楽しさが芽生えて来た
次は学校で人気者になってみよう
僕は行動にうつした
バイトで貯めたお金でギターを買った
弾けもしないのに
ギターを担いで学校へ行った
奴らがやって来た
お前ギター弾けるのか?
何か弾いてよ!!
僕はこう言った、学校終わった後にスタジオで練習するから
今チューニング緩めてあるから今は弾けない
奴らはつまらなそうに去って行った
次は女子から話しかけて来た
あなたギターしてるの?
僕は
まだ始めたばかりだから下手くそだけどね
女子は
じゃあ上手くなったら聞かせてね
ギターの効果は恐ろしい
皆んなが話しかけてくる
僕がギターを弾いてる事が瞬く間に校内に広まった
僕の作戦勝ちだ
もっともっと注目を浴びたい
人間は欲の塊
次に僕はバイクの免許を取った
学校には内緒だ
兄の友達から単車を借りて意味も無く駅前をバイクで行ったり来たり
次の日の学校で、やはり噂になっていた
お前バイク乗ってるらしいな
皆んなが確認しにくる
僕はこう答える
学校には内緒にしててくれよ
皆んなは不敵な笑みを浮かべながら
承諾してくれた
人気者になっていく事に優越感を感じ
またさらなる欲が出てくる
恋愛は諦めたとして
人気者になれば、自然と彼女も出来るだろうと
だかもうネタが無い
僕は数日考えていい事を思い付いた
コレをすれば、皆んなが僕の家に来てくれるかもしれない
親とも仲良く話してくれる
女子も沢山僕に見惚れるだろう
僕は階段を上り始めた
一歩一歩踏みしめるように
いつもの教室を通り過ぎ
ただただ踏みしめた
何人かは僕に付いて来ている
やっと目的地に着いた
そこは、そう、屋上だ
一気に人気者になる最後の方法それが
自殺だ
僕はフェンスを上り淵に立つ
付いて来た奴らは
何か僕に言っている
でも僕はその言葉が全て声援に聞こえる
そう僕はすっかりポジティブになってしまったから
一度右手を高く上げ
奴らの方を振り返りニヤリと笑った後、
何も躊躇せず
下に飛び降りた
下からは登校中の先輩後輩や校門に立つ先生達から歓声が上がる
今皆んなが僕を見てる
最高だな
これで皆んなが家に来る
女子も来る
皆んなが僕を見てる
そう思った時、全ての意識が無くなった
今では
僕が皆んなを見ている






























< 1 / 1 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:0

この作品の感想を3つまで選択できます。

この作家の他の作品

公開作品はありません

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品をシェア

pagetop