御予約ありがとうございます。
帰り道。

朝とは違う道を帰る。商店街は通らず、大通りを五分ほど行く。

行き先は『UENO』

美紅の父親が経営している、レストランだ。

若い頃は、海外の高級レストランに勤めていたらしく、「上野貴勝(たかまさ)」といえば、その道では結構有名なシェフらしい。こっちに帰ってきて始めたレストランも人気がある。

情報誌なんかには度々掲載されているし、テレビにも出たことがある。

「キィ…」

「すいません、お昼の営業はもう…」

「ただいま。お母さん。」

笑顔の美紅。

「あら、お帰り。尋ちゃんも。」

「こんちわ。」

笑顔でこたえたのは美紅の母親。美紅と美紗子さん、相変わらず笑顔がそっくりだ。

ここ『UENO』は、昼はカフェで夜はレストランと少し変っている。

僕らが来た時間はちょうど「昼休み」というわけだ。

放課後の一時間はだいたいここにいる。

つまり。

『UENO』と『竹島商店』

この二つが、僕と美紅の行きつけというわけだ。
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