BLACKOUT episode.Ⅰ 偽善の仮面
 実際、この犯人は生活に不自由してるなど当然なく、誰かに恨みを持っていることもない。しかし、ただ一つだけ、どうしても許せないことがある。

「私はお前たちの上に立つ、純粋悪をブラックアウトさせる。これはこんな世界にしてしまった、正義の仮面を付けたー組織ーへの報復であり、現代のおとなしい人間達への警告である。このままでは全てが終わる。この世界が終わる」

 これこそがこの犯人の動機。

「これは腐りきった社会で巻き起こる、革命である」

そう打ち込んだ後、少しぬるくなったコーヒーを飲み干し、最後の一文を満足げな表情をしながらゆっくりと打ち込む。

「私は、漆黒のジャンヌダルク」
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