好きのひとこと
「俺は、キモいなんて思わない」

「ほんとに?男の子ってほんとにそうなの?」

「そ、れはわかんねぇけど!俺はキモいとは絶対に思わない!!」

愛は目を輝かせて俺を見る。

こんな嬉しそうな愛を目の前にして

俺を選んでくれなんて言えるわけない。

愛の幸せが大事だから。

「そーいえば蓮汰の話したいことってなに?」

「いや、んでもねぇよ!気にすんな!忘れたし!」

「そっか、思い出したら言ってね!」

「おう」

「じゃあ!頑張ってくる!!」

頬を赤くして嬉しそうに俺の横を通りすぎる愛。

なんでこんな気持ちになんだよ。

頑張ってなんかほしくない。

あんなやつのとこに戻るなよ。

「愛…っ好きだ…」

誰もいない屋上に俺の呟きは

大きく響いた。

< 6 / 16 >

この作品をシェア

pagetop