any thing

 フィーラは走っていた。
 
 でも、空は一向に明るくならない。

 これはもしかして、魔法?

 フランクは何をやろうとしてるのかしら?

 ・・・・魔法を使って。

 ・・・おばあさま。あたし、どうすればいいの?

 そう考えていると、フィーラはだんだん、イライラしてきたが走り続けた。

 「フランクー」

 走りながら叫ぶ。

 「フーラーンークー!!!」

 今度はさっきよりも大きな声で。

 ・・・・空にこだまするだけだった。

 もぅ!!どこに行ってるのよ!!

とうとう、フィーラはへたりこんだ。

 服は、あちこち破れてぼろぼろだった。

 気持ち悪い、と思っていても服はそのままにしておいた。

 フィーラはじーっと地面をみつめた。

 どうして、あたしがこんな目に遭わないといけないの?

 あたしは、ただ、王宮を抜け出したかっただけなのに!!

魔法をすこし、使いたかっただけなのに。

 どうして、フランクに出会ってしまったの?

 あんな人なんて、ほっとけばよかったわ。

 ペンダントなんて人前で見せなければよかった。

 フィーラの頭の中に文句がたくさんうかんできた。

 でも、次はおばあ様の声だった。

 ビクッ・・

 今、なにかー・・

 「フィーラ。」

 お・・お、おばあ様!?

「おどろかしてごめんよ。」

 ・・・・よかった。

 フィーラはすぅと気が抜けた。もう、ひとりじゃない。

 「だけどねぇ、どうしてもおまえがうるさいものだから・・心配で、心配で。

  どうやら、おまえには話さないといけないようだねぇ。あたしの過去を。」

 え?!おばあさまの過去?それなら、前に聞いたわよ?

 「いやねぇ、もちっと話してないことがあったのさ。ここからはむやみにはなせないか  らねぇ・・。あたし自身のことだから。思い出したくもないんだけどねぇ・・。
  時間がないから、話すよ。って、なにから話せばいいのか、あたしにはよく、わかん  ないんだけどねぇ、あたしは王宮のものじゃなかった。」

 え・・・?おばあさまが王宮一族じゃなかったって・・??それはどういうことー?
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