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 ガチャン・・
 
 重く扉のしまる音。

 フィーラは自分の部屋へ入った。

 やっぱり、ここが落ち着く・・。

 赤い、カーペット、青いテーブルグロスのしてある小さな机その上の日記帳。

 その隣にあるブラウンのタンスと薄い黄色な鏡。それから、庭の見渡せる窓。

 ほぅ・・・。

 息を漏らして、フィーラは窓によりかかった。

 「なんて、綺麗な庭。」

 じーぃと見つめていた。

 コンコン・・。

 せっかく、いい気分だったのに。誰かしら?

 「はい。どなた?」

 少し、イライラしながら返事をする。

 「フィーラさんですか?」

 透き通ったような返事。

 だれかしら・・?こんな人ここへいたっけ?

 「だれ?あなた。」

 「ぼくは、隣の国の王子。フランク。フィーラさんですか?」

  ははーん・・。なるほど、ね。

  「そうよ。どうしてここへ?」

  今、相手してる暇じゃないの。

  「あぁ。あなたの夕食会へ呼ばれて・・。」

  「そう。」

  ん!?夕食会?!

  大変!!!!

  「うそ!?今すぐ、行かなきゃ・・。」

  「いいですよ。皆さん、あなたを探しに行きましたから・・。」

  「え。」

  キャーぁあぁあ。

  大変、大変、大変だわ!!!

こんなところでのんきにしてる暇なんてない!!!

きっと、お母様とお父様がすごく・・怒ってるはず・・。

  あ、でも。こんなチャンスめったにないわ!!!

「---。コホン・・。あのー。王子様?」

  「はい?フランクでいいですよ。」

  「フランク。今すぐ、ここをぬけだしません?」
 
  フィーラはいちかばちか聴いてみた。きっと、ダメね・・。ダメならひとりで行く!

 「今・・すぐですか?」
  
  「そう!!!今すぐ!!!!」

 
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