学園世界のイロジカル
零に駆け寄った私の後ろに…トン、と誰かが着地する音が聞こえた。





「ちょっとあんた!………っ!」




もうそこにはすでに、誰もいなかった。


ポイセを開いて、すぐに電話を開き、119と押す。




「もしもし、救急です!

友達が襲われて…え、場所!?

城下町近くの練習室から、大通りに行くまでの人通りのない道の路地裏です!


はい、はい…分かりました、すぐお願いします、血が流れてるんです…!」




電話を切ってもう1度零に目を向ける。


短く息を吐いて、苦しそうにしている零。




「なんで、零が…!」




私の言葉は、遠くの方から聞こえるサイレンに










掻き消された。










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