学園世界のイロジカル
「使いこなせてないだけで、使いこなせたら常人の何倍もの強さを持つことになります。

能力を盗む力…

"スティール"…その力は、なにもかも盗むことができるのですから」




けど…まだ使いこなせてないし、実際。


私はナミと比べれば遥かに弱い、なのにどうして…





ふと菊を見ると、菊の指が、ゆっくり動いて…2から3に、変わろうとしていた。





「3人目…」




菊の口元の緩みが消えた。










「沙羅(さら)」







ドクン…胸が大きく高鳴って



身体中から、汗が出てきたように感じた。






「君が初めて見殺しにした人の名ですよ



………椿」








な、んで…



なんで…





「なんで菊が…沙羅を知っているの…!」






自分でも驚いてしまうほど、気が動転してしまう。



落ち着いて、私…落ち着いて!




でも…菊と会った時みたいに、ドクンドクンと胸が鳴って、止まらなくって、熱くなって、苦しくなって…





「…答えて!菊!!」





私がそう声を上げた時、菊を囲うように、丸いなにかができていた。



でもこれ…柊のドームと違う…




菊へ視線をうつすと、そこにふらふらしながら立っていたのは…




「ナミ!!」



「っ、ナミ、今行く!!」



柊は一瞬でナミの方へ走ると、ふらふら状態のナミの腰を持ち、急いで私たちの方へ戻ってくる。



あまりに一瞬で、菊も体が動かなかったみたい。



すぐに多分ナミが作った丸い囲いを消してしまったけど、もうその時には遅い!!




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