学園世界のイロジカル
ただ、私がそのことを知ったのだって菊の話を聞いてなんだけど。




…あの時に沙羅が行った先が半世界なんて、知る由もなかった。




私の目的を果たすべき場所は、ここだったんだ。





そして…この話はみんなに話さなきゃいけない。



1つ1つ、小さな記憶も、忘れたい記憶も、全て思い出して。




「…私がこの学園に来た理由は、2つあったの。


1つ目は、全寮制という文字に惹かれて。

2つ目は、"強くなるため"」





そう、私は。


強くなるためにこの学園へと来た。





強い、っていうのは1つの強さだけじゃなくって。





もちろん体術的な強さ、それに精神的な強さ。

どんなことにも諦めない強さに、私の「めんどくさい」を克服する強さ。



あらゆる強さが、その私の1言に詰め込まれてる。





「沙羅と出会ったのは、8歳前後の時」




優しい笑顔を浮かべながら…1人ぼっちの私を助けてくれたの。




『…大丈夫?』




そのたった5文字が

私のつまらないはずだった運命を、全て変えていったんだ…




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