【続】想われたくて…―Side story―
声の主は、もちろん実来チャン。


ついついニヤけてしまう表情をこらえ、振り向いた。


「ん?」


ドキドキを隠して、返事をした。


「あの、すみません……連絡出来ずにいて……。」


あぁ!


その事か。


舞い上がってて、すっかり忘れてた……。


「携帯、結局見つからなくて……まだ新しいの、買って無いし……。ごめんなさい。」


本当に申し訳なさそうに言う実来チャンに、安心感を覚えた。


今の実来チャンの態度を見る限り、俺の存在を忘れていた様子は無い。


「あぁ〜、なんか木村も言ってたな。全然気にしなくてイイよ?

携帯買ったら、連絡してな?」


俺がそう言うと、ホッっとした様に笑顔を見せる実来チャン。



……って、あれ?


海と木村が居ねぇ!


あいつら……どこ行ったんだよ!?


ふとコンビニの中を見ると、雑誌コーナーで本を開きこちらの様子を伺っている二人。


……あいつら!!


余計な気ィ使いやがってッッ!!



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