幽霊なキミ。
あんなやつ、もしついてこられたら困る!!





そう思いながら、朝食の鮭をつついていると




「なんだよ椿ちゃん、声かけてくれないなんて冷たいじゃん!」





あいつの声が、耳元でした。





私は思わず大声を出しそうになったけど、ここはお母さんもお父さんもいる朝食の席。



無視だ無視。




私はイライラしながら無視を決め込むことにした。




「ねーつーばきちゃん!おーい!見えてるんでしょー!しゃけ、おいしそうだねー!」




私の周りをウロウロするナオト。




鬱陶しい!!!




「あらどうしたのつーちゃん、眉間にシワなんか寄せて。具合悪い?」




お母さんが私を見てそう言った。



いけないいけない、そんなに顔に出てしまっていたのね。


 
「ううん、なんでもない!今日の小テストのこと考えたらちょっとね!」  


お母さんはあらそう、と言ってそれ以上追求しなかった。





「椿ちゃん今日テストなの!?頑張ってね!椿ちゃん頭良さそうだから余裕そうだけどな!」




うるさい!小テストって嘘だし!




……って言いたいけど、無言で味噌汁をすする。




我ながらクールビューティだわ。
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