幽霊なキミ。
………

「許さぬ……許さぬ………」



低い耳鳴りと、聞き覚えのある声で目が覚めた。



体は動かない。



柱時計はもう鳴った後か聞こえないが、どうせまた、丑三つ時だろう。



(夢、か……。)



目の前をフォンフォンと飛ぶ落ち武者を見ながら、先程見た夢を振り返る。




私は、小さい頃から幽霊が見えた。


だから、いつも、おじいちゃんからもらった護身の護り石を持っていた。



(あれ、どこにやっちゃったんだろう……)



あの石がなくなってから、もうずっと、ほぼ毎日金縛りにあっている。



般若心経を覚えてから、少しはマシになったけど、それでも毎日なかなか辛い。



今日も、般若心経を心の中で唱え始めた。


その時。



「なぁあんまり椿ちゃん困らせるなよ。」



隣で、これまた聞き覚えのある声の持ち主がむくりと起き出した。


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