幽霊なキミ。
私の思いは届かず、ナオトは「ヤー!!!!」と落ち武者に飛びかかった。



落ち武者は刀を振りおろした……!!




私は見ていられなくて思わず目を閉じた。












……。








しばらくして目を開けると、そこにはニコニコしているナオトしかいなかった。





「お、落ち武者は…?」




あ!声が出る……!




「ひいひい言いながらどっか行ったよ。」



Vサインを出すナオトに、私はホッとした。



「あいつに立ち向かうとか馬鹿じゃないの!


……どうやってやったの…?」



するとナオトは、力こぶ(そんなに無いけど)を作って、パンパンと反対の手でそれを叩き



「ここですよここ。」



と言った。




「そんなに強そうに見えないけど?」



「椿ちゃんは俺が守るから。」




そんなことをスルッというもんだから、私はまたドキッとしてしまった。



生霊のくせに!
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