幽霊なキミ。
九、なんでなのよ…
次の日。金曜日の夜。




ボーンボーンと柱時計が遠く聞こえる。





私は、久々の感覚に襲われていた。






低い耳鳴り、近づく気配。






動かない体、少しの恐怖。







金縛りだ。





頭上には落ち武者の幽霊がフォンフォンと回っている。







ある意味、懐かしい風景だ。







私は、安心していた。







金縛りと落ち武者。






それは、ナオトがここにいないことを意味していた。







……安心したけど、この、心に穴があいたような、この気持ちは何?




< 58 / 110 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop