幽霊なキミ。

「俺、わかんないけど、戻れるように頑張ってみるよ。」




ナオトは優しく言った。






「……そうじゃないと困るわ。」





ナオトは私の言葉を聞いてハハっと笑った。










結局、その日は2日ぶりにオセロをした。



これが、二人でする最後のオセロかも知れなかった。





記憶の話はしなかったから、それを知ってるのは私だけだった。



私はただ楽しむことに集中しようとした。






……明日は(そういえばもう今日だけど)上手くいくといいな。




朝が近づいてくると、ナオトとはさよならだ。




寂しい気持ちに負けないように、


道順だけを考えて私は眠った。
< 67 / 110 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop