私の彼氏さま!!
確かあの時…

秋くんと女の人が寝てるのを目撃してしまった時も、「話を聞いてくれ」って瞳を揺らしながら言われたんだっけ…


だけど私はそれを拒否した。

悪いのは秋くんで、裏切りは最低な行為だと自分の中で勝手に決めつけて、彼の話しを少しも聞こうとはしなかったんだ…。


あのとき私があなたの話しをちゃんと聞いていたら、何か少しは違ったのかな?




「ねぇ、秋くん」


閉じていた口を開けると、言葉を紡ぐ。


緊張で、口内が乾燥する…


「ごめんなさい」


そのひとことに驚いた顔をした秋くん。


「私があの時、あなたの話しをちゃんと聞いてれば…そしたら…」



突然、手のひらで口を覆われ、言葉を飲み込んだ。


「汐音は悪くない」


柔らかな声でそう言うと、
躊躇いがちに頭をぽんぽんと優しく触れた

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