私の彼氏さま!!


一瞬、愛羅の表情が曇る。



もしかしたら、触れて欲しくなかったのかもしれないのに、私…最低だ。




「1人暮らしだよ、うち。
親は離婚して別々に住んでる」




「そっか」


「そーそー!だから、いつでも気軽に来てよ!
っあ、うちの部屋こっちこっち」



どうぞー、と促されて入った愛羅の部屋は
床ではなく今時珍しい畳で、部屋の隅に布団が2つ畳んである。


もっと派手な感じをイメージしてたんだけど、実際見てみたらとてもシンプルで落ち着いた雰囲気だった。



「よっこら、しょっと」

年寄りくさいかけ声をかけながら、
オレンジジュースと焼き菓子を乗せたお盆を畳の上に置く。


「はい、飲んで」


「ありがとう。あれ、愛羅の分は?」



手渡されたオレンジジュースをちびちびと飲みながらそう言うと、愛羅は洋服のポケットから瓶に入った牛乳を取り出した。


え、牛乳…?


というか、なぜポケット??

まぁそこについては、何も突っ込まないでいてあげよう。
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