エチュード ~即興家族(アドリブファミリー)~
「もしもし」
「アキちゃん?俺」
「うん」
「あのー・・・。今、秀が俺んとこに来てるんだけどさ」
「え・・・ええぇっ!?」
「・・・やっぱり。こら秀!おまえ、俺んとこ来るって、ママに言ってないだろ!」
「ごめんなさい」

ホントにスマホの向こうから秀一郎の声が聞こえて、急に安堵感が押し寄せてきたのか。
その場にペタンとへたりこんでしまった私を見た両親が、「朗子!?」と言いながら駆け寄ってきた。

スマホの向こうからも、「アキちゃん!?おーい!」という善の声が聞こえてきたので、私は慌てて、でもへたりこんだまま、「大丈夫」とだけ言った。

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