〔完〕生と死の境界

家族

私はこれといって特別というわけではなかった。


サラリーマンの父

専業主婦の母

高校生の私

中学生の妹

小学生の弟



サラリーマンの父は真面目な人だった。
アルコールもタバコもしなかった。

仕事もてきぱきこなす人で、上司からの信頼も厚いのだと、以前母が話していた。


そんな父は、私のすることに口を出すことはなかったし、むしろ私に関心がなかったと思う。

いつだっか…

リビングで本を読んでいる父に、私のことをどう思っているのか聞いたことがあったが、ろくな返事が帰ってくることはなかった。

そんな父が私は苦手だった。
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