一ノ瀬さん家の家庭事情。

ｈｏｍｅ:１２

「では、文化祭でやりたいことを出していってください！」

あたしは教卓の上にいながら少し緊張、いや、かなり！

ちらりと横を見ると眠そうに大あくびをする久住君。

「ちょっと！久住君も！」

「なんだよ、うるせえな。」

うるさい、じゃなくて！

みんなはシーンとしてるし、先生はやる気があるのかないのか、「委員に任せた！」と言って職員室に戻ってしまった。

「なにかありませんかー？」

するとすっと手が上がった。

「喫茶店。」

手を上げていってくれたのはほのちゃん。

さすが、困ってる時にはいつも助けてくれるんだ。

「他にないのなら、喫茶店で話を進めますが…」

そう言うと周りからはパラパラと拍手が起こる。

「じゃあさじゃあさ、メイド喫茶がいいよ！女子はメイド、男子は執事！」

クラスの中でも明るくてお調子者の秋山君が手を上げた。

「おもしろそー！でもメイドはなー…」

「いいじゃん、俺、みんなのメイド姿みたい！」