一ノ瀬さん家の家庭事情。

ｈｏｍｅ:３

バスケ部に入ってから一ヶ月。

ようやく部員の中にあった、あたしへの変な空気もなくなってつつある。

クラスにも馴染んで、ほのちゃん以外にも友達ができて、毎日楽しい高校生活を送っているかな。

進学校の割には行事も部活も盛んだし、最近は来てよかったのかもって思い始めた。

学校は本当に楽しい、学校はね…

「愛！俺の目玉焼きにソースかけたろ！？俺は目玉焼きには醤油派なんだよ！何年一緒に住んでんだ！」

朝から浴びせられる罵声に、うんざり。

せっかく今日は目覚ましと同時に目が冷めて、スッキリしてたのに。

「ごめんなさいねー、あたしのと交換しますから、許してねー。」

「…愛、俺のにもソースかかってる…俺、塩派なのに…」

こっちにもいたか！

めんどくさい人達だな！

「真兄、俺にそれちょうだいよ。」

「はあ？俺が先にもらったんだろ！お前は我慢してソースのやつ食べろ！」

「やだ。」