All I have to give


「ハルト、教えてくれないんだもん」


そう言って、カズさんはカウンターに肘をついて上目使いで私を見てくる。


「いや、何て言うか…か、家政婦みたいなものです」


「家政婦?」


「家事をしたり…」


「夜の相手も?」


さらっと言われた言葉に、私はコーヒーをこぼしてしまいそうになった。


「ち、違います!」


着替えて戻ってきたハルがまるで救世主のように感じてしまう。


「おい、ユナに何言ったんだよ」


「べっつにー?」


きっと私は今耳まで真っ赤になっているだろう…。

突然、そんな事を言ったカズさんの印象がガラッと悪くなった。



談笑している二人にコーヒーを運んで、私は自分の部屋へと戻ることにした。


.
< 24 / 87 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop