紅桜の散る頃に。
朝の出来事。
...ずほ

え?なに.....?

水穂...

私の名前を呼ぶのは誰?





「水穂ー!!起きなさーい!」

呼ばれてがばっと起き上がった。時計を見ると8時。

「やばっ」

ドタドタと階段を降りて支度をした。

「もー!!なんでもっと早く起こしてくれないの!」

お弁当を詰めているお母さんに言うと

「何回も起こしたわよ」

とかえってきた。

夢のなかで私の名前を呼んでたのはお母さんだったのかな。でも、確か男の人の声だった.....ってこんなこと考えてる場合じゃない!!

「お母さん!お弁当!」

「はいはい...どーぞ」

渡されたお弁当を鞄に入れて玄関へ向かった。

「水穂 朝ご飯いらないの?」

「うんっ じゃ、いってきます!」

「いってらっしゃい ...もうっ慌ただしい子...」

小さく聞こえたお母さんの言葉は無視して走った。

角を曲がると同時に誰かにぶつかった。

「わっ」


< 1 / 29 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop