紅桜の散る頃に。
「違いますけどっ」

なんなんだこの先生は!!!!!いちいち勘にさわる....

「水穂、もういいじゃねぇか、行くぞ」

蛍は私の腕をつかんで保健室を後にした。

「ちょっと蛍っまだ怪我の手当てしないじゃんっ」

「いいって、もう。お前下手くそすぎ」

なっ....人がせっかく手当てしてあげたのに!!!!!

「もういいよーだ....絶対手当てなんて死んでも、一生!やってやんないんだから!!」

「あっ、ちょっと、そんな怒んなって....」

早足で歩いて行くと蛍が直ぐに追い付いてきた。

私たちは教室へ戻り午後最後の授業を受けてショートホームルームも終え、帰る準備をしていた。

「蛍、今日は部活?」

「いや、顧問がぎっくり腰でさー 暫く休みなんだよ」

「そうなんだー、じゃ帰ろっか」

「おう」

私たちが教室を出ようとするとかなくんが引き留めてきた。

「俺も、いい?」

「えっあ、うん!蛍、いい?」

蛍に確認しようと横を向くともうすでに蛍は先へ歩いていた。

「ちょっと蛍っ!かなくん、行こ?」

「うん」
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