紅桜の散る頃に。
あの頃
10年前~彼方side~

「かなくん!」

「みっちゃん!今日はなにして遊ぶ?」

二人はとても仲がよかった。

いつものように遊んでいたある春の日。

「みっちゃんこの木おっきいね!」

「....」

「みっちゃん?」

僕がみっちゃんの顔を覗き込むとみっちゃんは目をキラキラさせて見上げていた。

「キレイ....」

ピンク色の花びらが舞う木の下で目を輝かせるみっちゃんは可愛くてこの花よりキレイで....

「みっちゃん!僕みっちゃんのこと好きなんだ」

「本当?」

嬉しそうににっこり笑うみっちゃんに僕は目一杯頷いた。

「私もすきー!」

「じゃあ 大人になったら僕のお嫁さんになってね!」

「うん!」

僕達は指切りをした。

それから間もない頃だ。みっちゃんが引っ越していったのは....
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