紅桜の散る頃に。
ライバル
~水穂side~

朝の事があってから時間は経ちお昼休み。私はクラス中の視線を独り占め❤

....嬉しくないわぁぁぁぁ!!!

もう本当に帰りたい。

かなくんはにこにこ笑ってるだけだし。

蛍は興味ないって感じだし!

なんなのよ!

「ねぇ蛍ー!」

「....んだよ」

ちょっと不機嫌だ。なんで?

「いや、別に....」

「あっそ。」

え!?私何かしましたっけ!?蛍さんは何を怒ってらっしゃるのかな!?

「何怒ってんのよ....?」

「怒ってなんかねーよ。」

「うそ!絶対怒ってる!」

「怒ってねぇって!うるせぇなぁ」

ほら。怒ってんじゃん....

なによ。

かなくんをちらっと見ると蛍を睨み付けていた。

んー??かなくんまでどうしたのかな!?

「かなくん?どうしたの?」

「何でもないよー!」

かなくんは再び私を見てにこにこし始めた。

「お、お昼食べよっか!かなくんはここで食べるの?食堂行くの?」

「んー。みっちゃんと一緒に食べるー!」

「じゃ、ここでいい?」

「うん!」

子供のようだ。満面の笑みでこっちを見てくる。

「蛍っ 食べよー?」

「おう」

いつものように蛍に呼び掛けるとかなくんは不満げな顔をして言った。

「いっつも一緒に食べてるんだ?」

「えっ?あぁうん」

「ふーん....」

横目でかなくんは蛍を見た。その目は鋭くて少し怖かった。
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