HALF MOON STORY
私は仕事のある日は大丈夫
なんだけどな
一人でも
けれどおんぷは
どうなのかな
自分が来なくて
ハルも来なくて
おんぷは
寂しくて
泣いたりしないだろうか
一人で朝を迎える
おんぷを想像してしまった
そう思ったら
何だかつらくなって
私は
部屋の中を探した
おんぷを入れて
運べそうな袋
流し台の下に
入れてあるのを
思いだし
中から取り出した
そしてその袋に入れて
自分の部屋に
持ち帰ることにした
全ての準備を終えて
靴を履き
玄関の灯りを消して
部屋を出ようとした時だった
肩にかけた鞄の中で
携帯電話が鳴った
鞄から取り出して
画面を確認する
ハルからの
ラインのメッセージだった
私は玄関に腰を下ろし
確認をする
動画がついていた
三角のボタンをクリックする
ハルの姿が映っていた
メッセージのハルが喋った
「愛果元気?
俺元気だよ
今どこにいるのかな
ひょっとして
俺の部屋かな
もしかして
帰る所で
おんぷを連れて帰ろうと
してるんじゃないの」
そう言ってニヤリと笑った
何で判っちゃうのかな
「多分愛果のことだから
そうするんじゃないかなと思ってさ
いいよ、おんぷ頼んだからね」
そう言って笑った
さっきから
動画の後ろのほうで
何人かの人が
動いているのが見えた
コードが床に広がっている
譜面台の足も見える