Secret
“北山先輩の彼女は先輩と同じ3年生らしい”

その噂を耳にした途端、今まで私の否定を全く聞かず、私が北山先輩の彼女だと思い込んでいた子達が手の平を返したように、今度は同情的な視線を向けてくるようになった。

しかも、その日のお昼休みには

〝三浦さんは北山先輩が好きで付き纏っていたけど、先輩には本命がいてその人に負けたらしい〟

という噂まで流れ始めた。

真実を完全に無視した迷惑極まりない噂だったけど、その噂を耳にした私は、完全に開き直っていた。

もし、ここで私が事実じゃないって騒いだところで、結局それを聞いてくれる人なんていないことが分かっているから。

たくさんの人が私に好奇の視線を向ける中

唯一、乃愛と瑛太だけが私の味方だった。

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