スマイル 〜約束した君へ〜
山の上で…
中間テストは散々な結果だった。
もともとできの悪い成績だから、別になんとも思っちゃいねーけど。



「……ハルナ、落ち込まないで」
「少しくらい成績悪くても、期末で取り返せばいいって!」


成績優秀者二人に慰められてる。
ショックで落ち込んでるヤツは、それを聞いて微笑んだ。


「…そ、そうだよね…」


頭では納得してるけど…って感じ。
オレはそんなヤツの気持ちが分かるから、見てて結構面白かった。



中間テストが済むと、すぐに宿泊学習のオリエンテーションが始まった。


「ダリぃな……ったく…」


チームワークだの友情だの人間形成の場だの……聞いてらんねぇ…。


(しかも、チームメンバー、これだろ…)


出席番号順。「きのした はるな」、オレ、ダイゴ、まりんの4人。
オレとダイゴはともかく、なんで同じチームにオンナがいるんだ⁉︎


「よろしく…河口君…」


ブスッとした表情をしてるオレに、ヤツはビクビクしながら挨拶。


「ダイゴもヨロシクね!」


まりんはオレとは距離を置いてるから、ダイゴにだけ声をかけた。
「失恋の痛手が収まるまで」…とか何とか、ダイゴにはぬかしてたらしいけど。


「4人で頑張ろう!オリエンテーリングで1位を目指そう!」


ダイゴがやけに張り切ってる。


「オリエンテーリング⁉︎ そんなもんあるのかよ!」
「あるさ!聞いてなかったのか⁉︎1日目の午後にやるって説明… 」
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