スマイル 〜約束した君へ〜
夏空の下で…
「ハルナ、手術決まったって!」


お見舞いから二日後、まりんが言った。


「へぇーいつ?いつ?」


穂波センパイが聞き返す。


「来週の水曜。やっとだ!…って、ラインに入ってた」
「良かった〜!じゃあ手術済んだら退院できるね」
「うん。多分!」


部活中、女子二人の会話に耳すます。
手術が決まったって事は、この間感じたイヤな予感は気のせいってことか…?


(でも、あの時、アイツの母親、確かに泣いてたよな…)


振り返った時オレがいて、かなりビックリしてたもんな。

(いちゃマズかったかな…)って思ったけど、特に何も言われなかったし…。
無いてたのか…って割には、笑顔見せたし…。


(でもな…接客のプロだもんな…)


疑えば疑う程、キリなくなる。
とにかく、手術がうまくいって、アイツが退院できればそれでいいんだ。


……何週間も空席のまま、隣に座るヤツのことばっか考えてた。
授業も受ける気にならねぇくらい考えてる自分が情けなくなるけど、会いに行こうって気にはならねぇ。

この間はあんなふうに部屋を出てってしまったし、次は誘ってもらえるかもどうか分からねぇ…ってのに。


(マズったな…)


自分の行動悔やむ。
もし、誘ってくれなかったら、こっそり一人で行くか。


(…行けれたらな…)


ーーーって、やっぱオレはバカだ。


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