あと一歩の勇気を―君が全てを失ったあの日、僕らは一体何ができただろうか―


秀俊がしかつめらしい顔で冷静に、あわてふためく梨乃へ言葉の刃物をぶっさす。その刃物は見事に梨乃の胸を貫き大ダメージを与えた。梨乃が軽くよろける程度に。

はためから見たらかなり酷い事を言っているように見えるが、実際。秀俊は至極真っ当な事を言った。しかし、何事にもタイミングと言うものがある。
タイミングを間違えて大目玉をくらった……なんてことがある人も数多くいるのではないだろうか。


「バカ!何でこの教室中の視線を集めてる時に言っちゃうの!?」
「はぁ?だって本当のことだろ」
「そうだけどもっ」
「……」


秀俊の発言はともかく。言い合いをする男女に涙を飲んで押し黙ってしまったもう一人の女。
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