白雪姫な君に
「あら、おかえり。」
家のドアを開けると、前と変わらない母さんがいて、安堵。
母さんは後ろにいる茉莉に気付くと、ぱ、と笑顔になって、俺が感じた安堵は崩れていく。
息子より彼女かい、なんて苦笑いしながら、ガチガチに緊張する茉莉に家に入るように促すと、茉莉は、お邪魔します、と母さんに頭を下げると、綺麗に靴を並べて家に入る。
母さんは嬉しそうにどうぞ、と笑いながら、あとでお茶菓子持っていくからー、と台所へ向かった。
「俺の部屋、行こっか。」
そう言って笑うと、茉莉まで嬉しそうに笑う。
なんだかそれが幸せに感じて、毎日続けばいいのに、なんて。思って。
馬鹿みたいに、あっちに帰ったら虚しくなるんだ。