シークレットガール!【完】



あたしだって自覚してますよ?


いやいや、だって、急に恋のキューピットもか言って、魔法の呪文を唱え出すんだよ?


「……うん、やっぱりセリフ間違えた」


「お前、頭狂ってる」


ワオ、そりゃ初耳だ。


ちょいとお茶目な女の子辺りだと思っているんだけどなぁー。


「…それはそうと、優季クンの点数はー?」 


学年1位はあたしの称号。


ということは優季はあたしに負けていることは決定的。


さっきの美沙ちゃん勉強極意論は前言撤回。


仲いい人とは比べて若干見下してやる程度も必要かと思う(嘘)。


「ちょっ…勝手に取るなっ」


がら空きだったからダメなんだってば!バーカバーカ。


ん?


え。


ななななななななななななななななななななななななななななななななななななんですとぉぉおおおぉおおお‼?




「2位……だと‼‼?」



病院の跡継ぎしたいとか言ってるから、頭は良いとは思ってたけども‼


なんで、こんなに頭がいいの!


財産よし、将来よし、顔よし、運動よし、勉強よしと来たよこれ。


「……あたし、優季が嫌いになりそう」


「1位取ってるくせに何を言ってんだ喧嘩売ってんのか」


「……いや、別に。優季は色んなモノ持ってるなーって思って」


顔もいいし。運動神経もいいし。



何よりも、将来がある。



「……でも、俺、一番欲しいモノは手に入ってない」


何その贅沢な言葉。


欲しいものなんて、………。



ダメダメ。少し根暗な思考になってきたよ美沙ちゃん。


ポジティブ意識しよーぜ美沙ちゃん。


そういうものは考えないと決めたじゃん美沙ちゃん。




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