未知の世界

回診が終わり、他の子の回診も終わった頃、私は、翔くんのベッドに行った。






カーテン越しに、






「翔くん、入っていい?」






と聞くと、






「あぁ」






と返事をした。






私は、翔くんのベッドの横にある丸椅子に越しかけると、
翔くんは恥ずかしそうに私とは反対を見つめた。






「さっきはありがとう。」





そういうと






「喘息なのに、大丈夫なのか?」






えっ?私を心配してくれてるの?







「うん、あれが原因で喘息が出たのかもしれない。






なかなかやめれなくて、」







「やめなきゃだめだ!他にも持ってるんじゃないのか?」






と言われ私は黙ってうつむいた。






「俺は今まで病気や怪我もなく過ごしてきた。






けど、今回入院して分かったんだ。






智喜やまやちゃんの病気を見ていると、自分が健康で生まれてきたことがどれだけ幸せなことなのか。






かなは、自ら体をダメにしたらいけないんだ。」







そんな、私は嫌でタバコを吸わされていた。






体を汚されて。






でも、今は自ら汚してる。むしばんでる。






「ごめん、、なさい。」







と気づくと翔くんに謝っていた。






「いやっ、俺に謝らなくてもっ!」





「私、残りのタバコ持って、佐藤先生の所に行ってくる。」






もう、吸わなくても大丈夫。
 
 
   



頑張る。






早く退院したいし。






「すごいな。よく言えたな。」






「へへっ」





って、ついつい笑うと、翔くんが頭に手を伸ばして私の頭に置いた。





ビクッ







私はまた思い出してしまった。        







怖い!






私はあの時の恐怖を、また思い出してしまい、足がすくんで、しゃがみ込んでしまった。






「はぁはぁはぁ」






と呼吸が荒くなりはじめた。






すると翔くんが側にきて、背中をさすってくれた。






翔くん、体が痛いのに。






少しすると息苦しさはなくなっていた。







「大丈夫か?先生には言ってるのか?」






といわれ、思わず私は、





「大丈夫だよ。ちゃんと言ってる。」







と嘘をついてしまった。






私はその後ベッドに戻って少し横になることにした。






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