【短編】かなしいキミ−もう一つの意味−
かなしいキミ
「は……?」
口から言葉が漏れる。
僕の家のドアの前には、
……女。
しかも、小さくうずくまっている。
迷惑、窮まりない。
「……っ!」
しかも、目が合ってしまった。
ここで放置して、死なれたら困るよなぁ。
「どうした?」
小さい子にするみたいに、目線を同じにして問い掛けた。
「りゅーざきさんですか?」
長音のせいか、随分と幼稚に聞こえた。
しかし、彼女はハタチくらいに見えた。