消えてくれない
アキと私

変化


『今まで通りアキは接してくれるのかな?私もなるべく普通にしとかなきゃ。 大丈夫大丈夫!平常心!』

隣で友達が昨日のテレビの話で盛り上がってる中、 頭の中で呪文のように唱えていた。

教室に入ってロッカーから必要な物を出していた。

『あ、アキの匂い』

「スミレ...」

後ろを振り向くとアキが立っていた。

「あ...おはよう。」

「おはよう。」

「「...。」」

『え?何?なんで私の顔を見るの?』

アキは真顔で私の顔をジッと見ている。

「向こう。行かないの?」

アキが顎で指したのはいつも3人で集まっている、ベランダ側の1番後ろの席だった。

「行く行く。なんでわざわざ?」

「だっていつもはカバンを投げ捨てるように机に置いて、真っ先にくるじゃん」

そう話すアキの顔に笑みがでた。

「投げ捨てるようにはしてないじゃん笑 ちゃんと優しく置いてますけど?笑」

アキが笑ってくれたから、私もいつものように、笑顔で話すことが出来るようになった。

「あれて優しくかよ笑 怪力だな笑」

「怪力って失礼じゃない? 一応女の子なんですけど笑」

『いつもと変わらない。 よかった。変わらなくて。』

「ミナミもおはよ。」

「はよ。ねみー」

「朝練?」

「5:30起きだぜ? ありえねーだろ」

「しょーがねーよ野球部なんだから笑」

「マジねみー」

3人で話していると、アヤカの声が聞こえた。

ドアの方を見ると、アヤカが友達と教室に入ってくるところだった。

私は手を握りしめた。

『よしっ!』

「アヤカ!...おはよう。」

「おはよう^ ^」

『よかった。アヤカも普通通りだ。』

私たち4人はいつものように、沢山笑った。







最近、アヤカとアキの様子がおかしい。

あれだけいつも一緒にいた2人が話もしなくなってしまった。

ある日気になってミナミに聞くと




「あー... あいつら別れたらしいよ? スミレ知らなかったんだな。」




「......。 はぁ⁈⁈ 何それ!聞いてない!知らない!」

「おまっ!声でけーよ‼︎」

周りを見てみると、みんなが私のほうを見ていた。

恥ずかしくなって、頭を下げる。

「ごめん... え?いつ?」

「俺も知らねーんだわ。 いつの間にかって感じだな。」

『何があったの? あれから普通だったのに... もしかして私のせい?』

「なんの騒ぎだよ笑」

「‼︎‼︎ びっくりしたぁ! ねぇ... 2人が別れたって本当?」

「あー。 そのことね...」


「もしかしてさ、」

「いや違う!...違うから。」

「そっか...。」

『聞かれたくなさそう... こうゆう事は聞かないほうがいいよね。』

「あ!ねー。 ミナミって彼女いるの?」

「いるし。」

「嘘っ!! え?この高校?」

「いや、他校」

「うわー! ミナミでさえも彼女いるのー? 私ヤバいじゃん!」

「おい!その言い方失礼だろ‼︎」

『話、ちゃんとそらせたかな?』

アキもミナミの話に食いついて、盛り上がってるみたい。

『ミナミにも彼女かぁ... 私遅れてるかも...。」











春の紫外線が1番強い時期にこの高校は体育祭をする。

『女子にとって日差しは大敵なんだから!日焼け止めクリームいっぱい塗らなきゃ!』

「スミレめっちゃ日焼け止めの匂いがする笑そんなに塗らないとダメなの?」

「いっぱい塗らなきゃ焼けちゃうもん! アキにも塗ってあげようか?笑」

「俺は焼きたいからやめてください笑」

「焼きたいとか笑 やっぱアキは変わってるわ。」

「1番変わってるスミレに言われなくねーなぁ笑」

私たちはテントの中で競技を眺めていた。

「スミレ、タオル貸して。」

「アキもタオル持ってるじゃん。」

「俺のは貸してやるから。 ほら。」

そう言って、アキは私の頭にアキのタオルをかぶせた。

『///アキの匂い...』

「今日はスミレのタオルは俺が使う。」

「分かった。はい。」

「スミレの匂いがする」

『ヤバいヤバいヤバい‼︎ 顔熱い‼︎』

「やめてよ笑 なんか恥ずかしいじゃん!」

「お?照れてんのか?笑」

「て、照れてないよ!」

「ほーお笑 スミレはツンデレかぁ。そっかそっかぁ。」

「ツンデレじゃないし!勝手に納得しないでよ!」

顔が赤いのを隠そうと思って、タオルに顔を埋めるとアキの匂いがした。

『ダメだ‼︎どっちにしろ心拍数上がる‼︎ もういきなりなんなの?』

その日1日アキはそんな感じで、 一日中私の隣にいた。


体育祭が終わって一週間ぐらい経った日。

その日私は駅ビルに買い物に来ていた。

雑貨屋さんで小物を見ていた時にメールの着信音が鳴った。

【加藤秋】

『アキ⁈』

アヤカと別れてから全然メールとかしてなかったから、アキからのメールは思いがけないものだった。

「あのさ、ちょっと聞きたいことがあるんだけど。」

「何?」

「スミレって好きな人いる?」

『どうしたらいいの?正直にいるって言うべきなの??どーしよう...』

私は迷いに迷って、正直に言うことにさた。

「いる。
けどなんで?」

「同じ学校?」

「うん。」

「え?誰? 何組なん?」

「それ言っちゃったら分かるよ笑」

「マジで誰?」

「アキこそどうなの? 好きな人いるの?」

「いる。」

「え⁈誰⁈ 同じ学校?」

「そう」

「え!誰誰? 私の知ってる人?」


「スミレ」


『.....ん?ちょっと待って? スミレって書いてるよね? 私は買い物をしてたらアキからメールが来て好きな人がいるのか聞かれた。 私はアキに聞き返した。誰→スミレ。 ヤバい!うそ!アキが好きな人私だって!』

「え?私?」

「そう。スミレ。 俺、スミレのことが好きなんだ。」

「嘘!どうしよう 嬉しすぎる‼︎」

「それはスミレも俺のことが好きってこと?」

「そうです! その通りです!」

「マジか! やった!めっちゃ嬉しい! 俺と付き合ってくれませんか?」

「はい よろしくお願いします」

生まれて初めての告白がほんとに本当に大好きだった人からで、本当に嬉しかった。

お店にいるのにテンションが上がりすぎて飛び跳ねたい衝動にかられた。

飛び跳ねるのはなんとか抑えられても、顔の筋肉は緩みっぱなしだったと思う。

私は大好きで大好きで大好きな人と両想いになれた。
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