絶対ダメな恋 〜偏見の世の中を生き抜いて〜上
第三章

強くなる想い

朝の目覚めは、そんなに悪くはなかった。


思いっきり泣いたのがよかったのかな…。


これ以上、先生に心配させちゃだめだ。


笑ってないと……。


今日も先生は校門に立っていた。


「おはようございますっ!」

今できる全力の笑顔で挨拶した。

先生も、ニカッと笑って
「おはよう!元気いいなぁ一瀬!」


先生の、この笑顔が好き。

僕が笑えば、先生も笑ってくれるんだ。


安心して下駄箱へ向かった。


先生が僕の背中を、悲しげな目で見つめていたことを知らずに。
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