【短編】最低な恋の、最低な終わらせ方。
慣れた手つきであたしのシャツを脱がせていく涼の様子を見つめながら、昨日は絵里さんとしたのかななんて冷静に考えている自分がいて。
それなのに、目が合うと無邪気に笑ってみせる自分に嫌気がさす。
「…絵里さんとは、仲直りしたの?」
「…ん?」
「喧嘩したとか言ってなかった?」
「…ああ。うん、謝ってきたから」
ああ、なんだ。
やっぱりそうか。
「そっか、良かったね」
素直になれない自分が嫌いで。
臆病な自分から抜け出したくて。