SECOND プリキス!!




「兵藤さん。」



HR後、トイレに向かっていた所、名前を呼ばれて振り向けば一人の女子が立っていた。

ハニーブラウン色のくるくるの巻き毛にメイクを施した、派手なその子の後ろには、クラスの半分位の女子達。

多分、その子はグループのリーダーなんやろうな。



自信満々な笑みを浮かべ、スカートをつまんでお辞儀をした。

こんなところ一つ取っても、烏丸さんの方が綺麗だとか思ううちはもう彼女に魅入ってしまってるんやろう。



「わたくし、松竹麗と申しますの。」


宜しく、と笑顔を浮かべて挨拶を交わす。

が、うちの心中と言えば……



何で挨拶一つするのに子分引連れなきゃ出来へんねん!!アホか!!そしてトイレに行かせろよ!なんなん、アンタら!

と荒れていたのだが。



ねぇ、と松竹さんは一歩うちの方へ近づいた。



「兵藤さんは、烏丸さんとは仲がよろしいの?」

「……さっき会ったばかりだけど、仲良くなれたらいいなとは思ってるよ。」



何で烏丸さんが出てきたん?

うちへの挨拶に来たのかと思えば、二言目には烏丸さんとか、何か失礼ちゃう?

松竹さんの質問に答えると、彼女はわざとらしく「ええっ」と驚いて。

そして……





「まぁ……親しくしない方がいいですわよ。」




…………そう来たか。




「あの人の血縁に、志乃お姉様……会長がいらっしゃるのだけれどね、烏丸さんって、志乃さんの妹って言いふらして、自分がカナンで一番偉くなろうとしてるのよ。」

「本当にみっともないですわ。」

「ほら見て。今もクラスメイトを引き連れて、偉そうにしてますのよ。」



松竹さんが烏丸さんの悪口を口にすれば、周りの取り巻き達も加わって大合唱となる。


「しかも!志乃お姉様の友人であらせられる天音様にも親しくするのよ!」

「天音様は優しいから、友人の血縁者を無下には出来ないの。」



話を聞いていれば要は嫉妬。

……心底くっだらないな。



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