SECOND プリキス!!
佳蓮side
「ようこそ、兵藤佳蓮さん。」
……うっわ、えげつない程綺麗やな。
初めて聖カナン女学院に来たのは新学期が始まる2日前の事だった。
通された応接室。
そこにいたのは二人の生徒。
その人達は生徒会長と、副会長らしい。
溢れんばかりのカリスマオーラを身にまとい、にこやかに笑うその人達。
流石、カナ女の生徒会は違うと思った。
うちが2日前に此処に呼ばれた訳。
それはここでの“常識”を説明してもらうため、らしい。
「普通、新入生向けに“陰飛羽の生活講座”するんだけど、兵藤さん受ける前にバレちゃったんだよね?」
一見美青年に見える副会長がうちに苦笑いで聞いたので、「そうです」と返しておく。
バレちゃった────か。
そう、バレたんや。
うちはぶっちゃけ所謂不良と言う人種だった。
グレたのは小6。
家に反抗したかったとか、馬鹿な理由でグレた。
そこから喧嘩が強くなって、華櫻というグループのリーダーになった。
俗に言う番長やな。
華櫻のリーダーになったのは、中2の冬。
そこからはかなりのハイスピードで地元の神戸を中心とし、1年弱で関西を統一した。
その時にはもう、家に反抗したいという気持ちはなく、むしろ家を守りたいと思うようになっていたうちは、元々予定していた陰飛羽の高校へ通う事を決めた。
華櫻は春休みに辞める───予定だった。