【死選】
会社での普段の仕事は、たわいもないものである


入社したての頃は、右も左も分からず、右往左往したが
しかしそれも、半年もすれば慣れた


きつい仕事とはいえ、中学高校とサッカー部での練習に比べたら、たいしたことはなかった


それに祖父母に、いつまでも世話になっている訳にはいかず
会社を辞めるなど、これっぽっちも思わなかった


仕事をするには、資格を取る必要性があった


入社一年目から、石油では危険物取扱の資格や
ガスでは設備士や販売士の資格を次々と取得した


仕事は楽しい訳ではないが、私なりに責任とやり甲斐を見付けた


入社してから3年が過ぎた頃
ある程度貯金もたまり、私は祖父母の実家から離れ独立した

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