【死選】

殺人

昼休みであったであろうか
私は校舎の屋上へ向かった


鍵はかけておらず
屋上には、すんなり侵入出来た


当時は現在と違って、屋上でも子供の遊びが許されていたようである


教師の考えもルーズ
まさか、子供が屋上から自殺をするなど思いもよらなかったのだろう


回りを見渡すと
屋上でキャッチボールをする子
ひなたぼっこをしながら、読書をする子
いろんな子が遊んでいた


発作的に家族の死を悲観した私は
針金で鎖状に網込まれた緑色のさくを乗り越え


そして、跳んだ…

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