「さよなら」って言って?
 【ささらsaid】



 「ささら!さっきの、何?」

理沙が大声で私に問いかける。

ここは私の病室。私は、まだ寝ぼけていた。


「え?さっき説明したじゃん?」

「されたけど・・・。ささら・・・。」

「ん?」

「ハッキリ聞くよ?」

「うん。」

「ささら、有田の事どう思ってるの?」

「エェヘェヘェ?」

まだ寝ぼけていた私は、笑いでごまかしていた。


 「ささら!」

理沙に両手を掴まれた。

本気の目をしてた。


 私は、一つ息を飲んでから話し出す。

 「・・・まだ、分からない。自分でもわからない。」

「・・・うん・・。」

理沙の目は優しくなっていた。

「もともと同い年の男子と関わることがなかったのもあるけど、なんか良く分からない感情に悩まされてる。」

私は胸元を触って一息ついた。

「うん・・・。」


「私にとって理沙も大切な親友で幼なじみだけど、悠馬君も大切な友達だと思ってる。」

「うん。そっか。」


 少し沈黙が続いた。
そして・・・。

 「私もう今日は帰るね?」

「理沙?」

「有田、ささらの事待ってると思うよ?・・・行ってあげなよ?」

「・・・・うん。ありがと。」

理沙は無言で頷く。


 
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